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コミケの情報とかアニメとかについて書けたらいいかなと思います
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 ハンゲで大人気稼働中のネットゲームアラド戦記はMORPGだけあってきちんとバックストーリーがあります。
 が、しかし。
 悲しいかなネットゲームのストーリーは基本的にスルーされがち、と言うよりはキャラの育成とかアイテム収集とか徐々にアップデートされながら進んでいく形のためにほとんど頭に入ってこない状況であります。
 今ネットゲーをやっている方々はそのゲームのストーリーを語れますか?

 アラド戦記は表面上には全く見えない裏設定が色々あるのです。
 クエストを進めていくと見られたりするんですが、誤字が多くてあまり雰囲気が……
 公式漫画もギャグに走っていていまいち面白くない。
 アニメも公式漫画のアニメ化で期待できない。
 もっとシリアスかつ爽快な冒険活劇を所望していたのです。

 なものでせっかくなので書きました。私の望むアラド戦記ストーリーを。
 公式の設定に忠実に、分からない部分はオリジナルに、とまずシロッコ討伐編から書き始めたのですが結構詰め込みになりそうなのでいずれ外伝として何とかしたいと思います。
 さっさと始めたいところですが、シロッコ編に熱を入れすぎて本編にはまだ入ってないのでプロローグからです。

 遥か昔、天界と地上の間に起こった争乱は天界を支配していた暴龍王バッカルの死亡によって幕を閉じた。
 しかし、バッカルは死の間際に二つの世界を繋ぐ唯一の架け橋となっていた天城(てんじょう)を破壊。
 以来天界と地上は全く別の歴史を歩むこととなった……

 人々はこれを一区切りとし、アラド歴という新たな歴史を紡ぎ始めた。
 それから長い間、国同士の争いは各地で継続的に起こっていたもののアラド大陸全土を巻き込んだバッカルとの戦いに比べれば些細なもので平定された世の中であった。

 アラド大陸に異変が起きたのはアラド歴977年。
 昔エルフと呼ばれる妖精達が住んでいた森、エルブンガードの奥地から奇妙な悲鳴が聞こえるようになった。
 昼夜問わず心を引き裂き、肉体を砕くようなおぞましい悲鳴が響き続け、周辺住民達の心を蝕んでいった。精神を病み衰弱していく者、耐えきれずに土地を去っていく者、既に穏やかな集落の姿はそこに無かった。
 住民達は何とかこの悲鳴を止ませることは出来ないかと、アラド大陸最大の国であるデ・ロス帝国に助けを求めた。

 現在アラド大陸上で最も巨大な国であり最大の戦力を持つデ・ロス帝国であっても悲鳴窟と名付けられた悲鳴を放つ根源である洞窟の調査は難航し、苦肉の策として投入した調査団「ミスト」によって悲鳴窟の奥深くに後に"転移"と呼ばれる現象によって出現した使徒シロッコを撃破したのは最初の派兵から四年経過してからであった。

 この事件を発端に転移は世界各地で見られるようになった。
 転移が直接関係するか不明であるが、ベルマイア公国のある広大な森グランプロリスで大火災が起こりそれまで住んでいたあらゆる生物が姿を消した。
 また、この事件によりエルフがグランプロリスから消えたため彼らが仕掛けた魔法陣が弱まりバッカルの死後封印されてきた天城が姿を現した。
 翌年、悲鳴窟事件以降不穏な動きを見せていたデ・ロス帝国が遂にベルマイア公国に侵略戦争を仕掛け、上記の出来事で混乱してたベルマイア公国を支配下に置いた。

 アラド歴990年……
 既に転移は周知の事実となり、徐々にその本質を見せ始めていた。
 原因は未だ不明だが、転移が引き起こす影響だけははっきりと人々の目に理解できた。
 生物が異常な進化を遂げていくのである。
 本来大人しい草食動物であったタウが数メートルの体躯を持ち、群れを成し、滅びたグランプロリスの一画に集落を築き始めた。また、森で木の実や昆虫を主食としていた細長い手足のルガルが人間を襲うようになり、中には毒を持った個体も現れていた。
 このようなモンスター達が各地に現れ、それらを退治するために冒険者が生まれたのだ。

 ここにもそんな冒険者の一人がいた。
 彼の名はヘイト。
 身の丈とほぼ変わらぬ大剣を傍らに携え、木陰の元で眠りについている。
 逆立った長い髪をバンダナで一纏めにし、旅をする者としてはいささか薄着ではないかと思われるような出で立ちである。
 獣の毛髪をあしらった装飾のジャケット、機動性を重視した緩やかなパンツ、自らの被弾を顧みない鬼剣士特有のスタイルであった。
 赤黒い左腕は淡い光を放つ鎖で縛られており、これがヘイトの命を支えているようなものであった。
 カザン症候群、彼がこのような状況下に置かれることとなった呪いの名である。
 いつどこで何故発症するかも分からない、治療法も見つからない、一度かかれば徐々に凶暴性が増し誰彼構わず襲いかかる狂人となる。
 いつしかカザン症候群の暴走を沈める封印の腕輪も開発されたが、これも本人の精神力次第でいずれ制御仕切れなくなってしまう。
 ヘイトがカザン症候群を発症したのは十年前、まだ争いも知らない小さな子供だった。
 朝目覚めたヘイトは鼻をつく異臭に気付いた。
 ぼんやりとした視界に飛び込んできたのは床、壁、天井全てが赤く染められた部屋であった。
 痛む左腕に目をやると奇妙に変色した腕が今も獲物を求めるように激しく脈動し、紅の雫を滴らせていた。

「あ、あ……うわああああああああああああああ!!」

 恐怖に囚われた叫び声と共にヘイトは目を覚ました。
 今でもこうして過去の夢を見る。両親をこの手で惨殺した夢だ。
 そして両手を見るが、今はあの時のように血まみれではなかった。
 しかし左手は相変わらず呪われたままである。

「チッ、何年経ってもコイツを忘れることなんてできねぇか……」
「誰か、助けてください!!」

 最悪の目覚めに悪態をつくヘイトの耳に誰か女の叫びが届く。
 ここら辺はゴブリンの巣窟だ。きっと襲われてでもいるのだろう。
 この嫌悪感を拭うには絶好のタイミングだな、ヘイトは口元に薄ら笑いを浮かべながら大剣を担ぎ上げ茂みの先へ駆けていった。

「アラド戦記 鬼剣士旅立ち編 完」

 と言うわけで、こんな感じにまとまりましたアラド小説。
 小説と呼ぶには烏滸がましいかもしれませんが、一つの読み物としてお楽しみ下さい。
 まだ完全にストーリーが完結していないアラドには謎が多すぎると共に事件も多すぎるのです。
 例えば重要キーワードの転移にしたってよく分からないし、天上と地上が隔絶された戦争以前の話とかも全く明るみになっておらず手探り状態。
 さて、これからは本当にアラド戦記のゲームの進み方通りに話を書いていくつもりです。
 コンセプトはあくまでゲームに忠実に。
 これ一回で終わらないことを自分で祈ります。

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